水牛楽団のできるまで 高橋悠治 Takahashi Yuji 白水叢書 60
昨年一年間、日記をつけてみた。何をしてくらしているのか、自分でもしりたいとおもった。音楽家たちとのつきあいからはなれても、音楽からははなれていない。音楽の場は、音楽家たちのいる場所より、はるかにひろい。
今年になって、日記をよみかえすと、かなりの部分は、もう意味がなかった。だから、ここに印刷されるのは、再構成された一九八〇年だ。日記からぬき書をつくり、その間に、昨年かいた文章をはさみこむ。結果は、さまざまによめるだろう。自分でよんでわかるのは、音楽家は音楽のなかにとじこもっては生きていけないが、人びとといっしょに生きていこうとするとき、音楽は役にたつ、ということだ。あるいは、そうありたいと、ねがっているだけかもしれない。(本文より)
装幀=政田岑生
出版社 publisher:白水社/Hakusuisha
刊行年 year:1981 初版
ページ数 pages:234
サイズ size:B6
フォーマット format:ソフトカバー/softcover
言語 language:和文/Japanese
付属品 attachment:カバー/dust jacket
状態 condition:経年並みです/good