台湾発の写真雑誌の第8号。「物件夢遊/TRANCE AMONGST OBJECTS」をテーマに陳曉雲(CHEN XIAOYUN)、蒋志(JIANG ZHI)、岸幸太、陳維(CHEN WEI)を特集。その他2012年度の木村伊兵衛賞受賞者の菊地智子氏、飯沢耕太郎氏のインタビュー。また深澤直人氏と藤井保氏の対談なども収録。(スタジオボイス誌に発行人・李威儀の
インタヴューが掲載されました)
<本書EDITORIALより>
どうして「物」を見るのか。写真は我々に凝視する機会を与え、また「物」は写真によって生活のコンテクストから逸脱し、拡大される。写真はまた我々に日常の「物」に注目するよう促し、新しい物語を創り出す。我々のまなざしは「物」の中で答えを探求し、また逃げ回りもする。もっと近づきつつ、そして遠ざかりもする。
今号のVoices of Photographyで、陳曉雲は虚構の文集「Zhuiku Tablet Annotations」という形式を用い、枯れ木とタイトル文字を駆使したイメージテキストを制作、意義探求の遊戯を展開する。蒋志は引火した花と木で愛情を伝え、一通一通現れては消える恋文の言葉を燃やす。岸幸太は道ばたで廃棄物を拾っては新しい様相を造り出し、物質の様相と物質自身との対話をコラージュする。陳維は日常の物を1つの寡黙な劇場へと変え、物の日常における非日常を演出する。
今号のArtist’s Showcaseでは写真家・菊地智子を特集。木村伊兵衛賞受賞作品「I and I」シリーズは、菊地が長年中国のドラァグクイーンを記録し、現代中国で抑圧され、また敏感な問題でもある性意識に写真で向かったものだ。このほか、今号のコラムQでは日本の写真評論家・飯沢耕太郎にインタビュー。写真評論の役割と見方について語ってもらった。またデザイナー・深沢直人と写真家・藤井保の対談では、メディアとしての写真と物との関係について探る。太田康介は福島放射能災害危険地域に立ち入り、災害という試練の中で世間から忘れられた罪のない動物たちにレンズを向けた。またそれらが人類文明に対して警鐘を鳴らしていることに我々は気付かされる。その他今号では、写真家・蕭永盛による「台湾写真史」も掲載。号を分けての連載で、台湾の写真がたどってきた歴史の足跡を追う。邦訳=石塚洋介
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出版社 publisher:影言社
刊行年 year:2013
ページ数 pages:120
サイズ size:H255×W190mm
フォーマット format:ソフトカバー/softcover
言語 lanaguage:中文(繁体字)/部分的に英文-Chinese/English in some parts.
付属品 attachment:
状態 condition:新品です。/new.