第9巻はアニエス・ヴァルダ(Agnes Varda 1928-2019)が監督した映画「5時から7時までのクレオ」に捧げる作品。電通社内にて、勤務時間が終わる7時から7分間だけモデルを机の上に立たせた状態での連作。名前の「パトラ」は「クレオパトラ」からという洒落のような話。
主演:超二流の女優 幾代恵路
スタッフ:荒木和雄、八重幡浩司、吉川潤、青木陽子
衣裳提供:東京銀座三愛
'70年6月23日撮影
限定70部:Limited Edition of 70 copies
<ゼロックス写真帖とは>
アラーキーこと荒木経惟の実質的デビュー作。正式には『荒木経惟写真帖』だが、当時彼が勤めていた電通社内のゼロックスのコピー機を借用して製作されたことから単に『ゼロックス写真帖』とも呼ばれている。全25巻の予定だったが、内3巻は未刊、加えて番外篇を含めた23巻(+付録2点)が現存している。早く撮って早く出したいという荒木の意向で、造本は黒い紙の表紙に赤糸の和綴じの手作り製本で統一し、仕上がったらすぐに色々な人に勝手に送りつけていたらしい。しかし内容はそれぞれ判型や量が異なり、かなりのバリエーションがある。各号限定70部の私家版として刊行。製作スタッフに名を連ねる荒木和雄は実弟、青木陽子は後の妻・荒木陽子(1947-1990)である。主に陽子がコピーをし、和綴じ作業を和雄が手がけていたそうである。
ゼロックス写真帖全シリーズ一覧
1:
顔70
2:
矢口栄三郎
3:カルメン・マリーの真相 *3月18日発刊予定。のちに未刊。
4:
都はるみ(仮名)予告編
5:
アダム & イヴ
6:
すてきな新婚旅行
7:
東京はエロス
8:
これが写真展だ
9:
7時から7時7分までのパトラ
10:
夏休み *付録:デロン君ガンバル
11:
内藤正敏見世物看板写真展<女ターザン三人娘>
12:
残暑お見舞 キッチンラーメン展 2
13:
風景
14:
続・風景
15:
万博
16:
すなっくDOMONEってドコドコドコ?
17:
あー日本 改め おー日本
18:サマーバカンス神津島 *モデル嬢結婚のため中止
19:
詩集
20:
恋文帖
21:
散歩の時間
22:
西熱海ブルース *付録:
便所用愛のカレンダー
23:歌手たち *印画紙4811枚シリーズに変更
24:
日本人70
25:
夢のマイホーム
番外篇:
荒木長太郎二代目襲名披露
出版社 publisher:Self Published
刊行年 year:1970
ページ数 pages:
サイズ size:H258×W180mm
フォーマット format:和綴じ/Japanese binding.
言語 language:
付属品 attachment:
状態 condition: