トラピスチヌ修道院とは、カトリック修道会のひとつ「厳律シトー会」に属する日本初の観想女子修道院であり、今も北海道の函館市に存在する。同じく「厳律シトー会」の男性修道士のみが集まるトラピスト修道会は、1950年代に奈良原一高が『
王国』、60年代と70年代は山口博が『
トラピスト男子修道院写真集』とそれぞれ写真集として残しているが、本書のような1950年代の修道女たちの生活を記録した写真集は他にあまり見当たらない。撮影者はライカの名手とも言われる間世潜(1904-1959)。彼は函館出身で一時期東京でフリーランスのカメラマンとして活動していたが、1959年に自ら命を絶った謎多き写真家である。
<トラピスト修道会>とは、カトリック修道会のひとつ「厳律シトー会」の通称である。十七世紀にシトー会の改革を行ったランセの修道院がフランスのトラップにあったことから、この名がある。奈良原が撮影した北海道の男子修道院「燈台の聖母修道院」は、1896年フランスから来た修道士ジェラール・プーリエ(Gerard Peuiller)によって創設された。プーリエはのちに帰化し、岡田普理衛と名乗っているが、信仰の移植ばかりではなく、ホルスタイン牛をオランダから輸入するなど、北海道酪農の基を築いている。レンガ造りの本館は1908年に造られ、鐘の音から、周囲の住民には「ガンガン寺」と呼ばれていたそう。
目次
本文
トラピスチヌ大修道院
シトー会及び天使園修道院の起源と歴史
修道女の生活
衣・食・住について
日課表
入会の条件
写真解説
撮影の記
撮影技術資料
あとがき
写真
祈り
生活
勤労
沈黙
祭服の種類
装幀:里見勝蔵
製作:最上運一郎
組版:太平洋社
製版:佐藤写真製版所
印刷:松本精喜堂印刷
製本:矢島製本所
2000部限定出版ナンバー入り:Limited edition of 2,000 copies with numbering
出版社 publisher:トラピスチヌ写真帖刊行会/Trappistine Pictures Publishing Society
刊行年 year:July 25, 1954
ページ数 pages:147
サイズ size:H300×W222mm
フォーマット format:ハードカバー/hardcover
言語 language:和文/英文-Japanese/English
付属品 attachment:函、カバー/slip case, dust jacket.
状態 condition:函、カバー少傷み。/slightly damaged on the slip case and dust jacket.