アメリカ 1937 名取洋之助 写真集 AMERICA 1937 Younosuke Natori

日本人初の『ライフ』誌契約写真家となった名取洋之助(1910-1962)が、初めてアメリカを訪れたのは1937年1月のことだった。当時"日本人の見たアメリカ"という難しいテーマで写真を撮っていた名取だったが、ライフの姉妹誌『フォーチュン』からの撮影の依頼によって彼はアメリカ人の精神的土壌となっている"古き時代のアメリカ風物"を撮るべく、1937年7月13日アメリカ大陸横断の自動車の旅に出た。本書はこの時に敢行されたのべ50日間、8000キロにおよぶ旅の中で撮られた写真である。ほとんどは6×6判のローライフレックスによる正方形のフォーマットだが、部分的にライカの35ミリも収録。名取の写真には1929年の大恐慌から立ち直り、一度は生活の苦しさを味わったアメリカ人が、回復の兆しをつかんで明るさを取り戻し始めた頃の様子がうかがってとれる。同じ1930年代を撮影したウォーカー・エヴァンズ(Walker Evans 1903-1975)や労働者を撮ったドロシア・ラング(Dorothea Lange 1895-1965)とも違う日本人が見たもう一つのアメリカと言えるのかもしれない。

テキスト
名取洋之助と『ライフ』の時代 青木冨貴子
名取洋之助の見たアメリカ 1930年代の光と影 猿谷要
名取洋之助の仕事 その写真手法と生涯 松本徳彦
名取洋之助年譜

デザイン:竹下佳秀

出版社 publisher:講談社/Kodansha
刊行年 year:1992
ページ数 pages:95
サイズ size:H287×W287mm
フォーマット format:ハードカバー/hardcover
言語 language:和文/Japanese
付属品 attachment:カバー/dust jacket.
状態 condition:カバー少傷み。/slightly damaged on the dust jacket.
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