北海道函館市のトラピスト男子修道院"燈台の聖母修道院"を撮影した「沈黙の園」、女性のみを収監する和歌山刑務所を撮影した「壁の中」、長崎港から南西約17kmにある端島(別名軍艦島)を撮影した「人間の土地」の初期3部作を1冊にまとめた写真集。いずれの写真も奈良原氏が早稲田大学大学院在学中に写真を始めたばかりの時期に撮影したもの。グラビア印刷による白黒の諧調の美しさが印象的。細谷巖のブックデザインに、堀内誠一の写真レイアウトが定評の映像の現代シリーズの第1弾。
"Silence Garden" where the Trappist Men's Monastery "The Virgin Monastery of the Lighthouse" in Hakodate City, Hokkaido was photographed, "Inside the Wall" where the Wakayama Prison where only women were imprisoned was photographed, and Hashima Island (also known as a warship) located about 17km southwest of Nagasaki Port. A collection of photographs of the early trilogy of "Human Land" that was taken on the island). All the photographs were taken when Mr. Narahara was just starting photography while he was a graduate student at Waseda University. The beauty of black and white gradation by gravure printing is impressive. The first in a modern series of images with a reputation for Seiichi Horiuchi's photo layout in the book design of Gan Hosoya.
目次
閉じられた世界の探求者 山崎正和
1 沈黙の園
2 壁の中
3 人間の土地
作品解説
作者略年譜
英訳:トーマス・エリオット Thomas I.Elliot
ブックデザイン:細谷巌
写真レイアウト:堀内誠一
グラビア製版:笠原栄次
グラビア印刷:グラビア精光社
カバー表紙印刷:大熊整美堂
組版:三晃印刷
製本:小泉製本
<トラピスト修道会>とは、カトリック修道会のひとつ「厳律シトー会」の通称である。十七世紀にシトー会の改革を行ったランセの修道院がフランスのトラップにあったことから、この名がある。奈良原が撮影した北海道の男子修道院「燈台の聖母修道院」は、1896年フランスから来た修道士ジェラール・プーリエ(Gerard Peuiller)によって創設された。プーリエはのちに帰化し、岡田普理衛と名乗っているが、信仰の移植ばかりではなく、ホルスタイン牛をオランダから輸入するなど、北海道酪農の基を築いている。レンガ造りの本館は1908年に造られ、鐘の音から、周囲の住民には「ガンガン寺」と呼ばれていたそう。
出版社 publisher:中央公論社/Chuo koron-sha
刊行年 year:1971
ページ数 pages:
サイズ size:H265×W218mm
フォーマット format:ハードカバー/hardcover
言語 language:和文/英文-Japanese/English
付属品 attachment:ビニールカバー、カバー/vinyl wrapper, dust jacket.
状態 condition:ビニールカバー少傷み。/slightly damaged on the vinyl wrapper.