アルフレッド・バーとニューヨーク近代美術館の誕生 大坪健二著
近代美術をいかに収集し展示するべきか明確な規範のない時代に美術史家としての素養と類まれな「目」をもって、ニューヨーク近代美術館を世界に冠たるものへと導いたバー。広く知られるその功績をよそに、これまでほとんど論じられてこなかった彼自身の言動をアメリカ近代美術史の中に据え、ミュージオロジーの視点から考察する。(帯文より)
目次
まえがき
序章 アメリカ近代美術前史
1 アメリカ近代美術の黎明-十九世紀後半の諸相
2 アメリカ近代美術の幕開け-スティーグリッツの「二九一」と「ジ・エイト」展
3 ヨーロッパ前衛美術の衝撃-アーモリー・ショウ
第一章 バーの思想形成とニューヨーク近代美術館の設立
1 ニューヨーク近代美術館設立までの動き
2 二〇世紀初頭のアメリカ美術史学とバーの思想形成
1 プリンストン大学時代-モーリィとバー
2 ハーバード大学時代-サクスとバー
3 バーのニューヨーク近代美術館構想
第二章 バーと近代美術
序 近代美術館の主要展覧会クロノロジー
1 バーと抽象美術-「キュービズムと抽象美術」展
2 バーとシュールレアリズム-「幻想美術、ダダ、シュールレアリズム」展
3 「キュービズムと抽象美術」展と「幻想美術、ダダ、シュールレアリズム」展後のアメリカ美術
1 バー発言の波紋
2 シュールレアリストの渡来とペギー・グッゲンハイムの「今世紀の美術」
4 バーと抽象表現主義
1 「マガジン・オブ・アート」誌「シンポジウム:アメリカ美術の情勢」への回答
2 「アート・ニューズ」誌ヘスの批判への回答
3 ヨーロッパ巡回展「新アメリカ絵画」展カタログのバーのテキスト
第三章 バーとニューヨーク近代美術館コレクションの形成
1 バーの夢-近代美術のパブリック・コレクション
2 コレクション活動の体系-コレクション・カタログ
3 創立期のコレクションとバーの要望
4 創設理事ブリスの作品遺贈問題
5 ジュニア諮問委員会とバーの「コレクション構築のための長期計画」レポート
6 購入基金の創設-アビィ・オールドリッチ・ロックフェラーとサイモン・グッゲンハイム夫人
7 対立:理事とバー
8 第二次世界大戦下のニューヨーク近代美術館-館長解任:アメリカ美術の収集をめぐって
9 再提案レポート:ミュージアム・コレクションの目的
10 ポリシー委員会提案によるミュージアム・コレクション展
11 第二次世界大戦後のニューヨーク近代美術館
12 美術館相互協定とパーマネント・コレクション・ポリシーの決定
13 アメリカ美術問題のその後-抽象表現主義以降の美術をめぐって
14 ミュージアム・コレクション・ギャラリー誕生
15 バー後のニューヨーク近代美術館
後章
あとがき
注
参考文献
アルフレッド・H・バーJr.年譜
人名索引
図版出典一覧
出版社 publisher:三元社/Sangensha
刊行年 year:2012
ページ数 pages:281
サイズ size:A5
フォーマット format:ハードカバー/hardcover
言語 language:和文/Japanese
付属品 attachment:カバー/dust jacket
状態 condition:特に問題なく良好です/very good