過去に写真家・剣持加津夫は『魔薬 : フォート・ドキュメント』に代表されるドキュメント色の濃い作品集の他に、写真のあらゆる技法を駆使して非現実的な現象の映像化に取り組んでいる。1981年に出版された『
ナルシスの変貌』ではトーン・ライン、トーン・セパレーション、プロセス・ポスタリゼーション、デュオトーンなどあえて技法の乱用を試みている。ところでこちらのオリジナルプリント。撮影は写真集『ニンフェット 12歳の神話』の際に撮影されたもの。狂ったような色彩で、海辺で女性が寝転んだイメージは「モノクロポジを4色分解してトーン・ライン手法にて製作する」と写真家は別紙の紙に記している。残念ながら写真表面に四箇所小さな丸傷あり。
撮影年 photographed year:1960s
プリント年 printed year: no date
イメージサイズ image size:H233×W283mm
ペーパーサイズ frame size:H233×W283mm
状態 condition:プリント裏に落款、別紙に撮影手法のメモ書き、写真家名スタンプ。/photographer's seal, some scars on the print.